ポルトガルを気ままに妻と共に旅して、リスボン、ポルトと二つの街を回って来た。どちらも国立美術館があり、観光の合間に落ち着いた静かな時間を過ごさせてもらった。
写真の絵は、ポルトの美術館で画学生たちの絵がたまたま展示されていたのだがその中で出会った一枚の美しい水彩画。コップの形をした水槽の中を魚たちが泳いでいる様子を家族が楽しそうに見ているという不思議な絵だが、私たちが出会う世界というのは、このコップの中のような限られた空間、ひと時の時間の中で出会う幻のようなものなのかもしれない。ポルトガルで出会った風景も東京で暮らす日常の風景も、もしかしたら出会うことがなかったかもしれない、たまたま出会っている風景なのかもしれない。
通り過ぎていくだけの、旅というものへの疲れによる妄想なのだろうか。ところで、私にも幼かった頃家族で行った水族館の楽しい想い出があった。そして、あの頃若かった私の父や母は人生という長い時間の旅を終え、今はもうこの世にはいない。(蔦文蔵)


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