名探偵登場・海外篇(6)

人間は推理する葦である

 ギデオン・フェル博士。英国の哲学博士、法学博士、王立歴史学協会員、ロンドン警視庁顧問、殺人クラブ(文学、科学、芸術の各分野で著名な男女13人の会員からなる、古典的な犯罪事件について語り合う会)名誉書記。

ジョン・ディクスン・カーの「妖女の隠れ家」以下の長短篇に登場する学者探偵で、丸い赤ら顔の体重230ポンド(約130キロ)の巨漢。豪放磊落かと思いきや体格に似合わぬ勤勉タイプで、物的証拠をもとに論理的に犯人を追いつめる。密室、人間消失をはじめとする不可能犯罪の権威で、博士は「三つの棺」の中で古今のミステリーに登場する密室を7種類に分類定義した。

作者のジョン・ディクスン・カーは、1906年、アメリカのペンシルヴァニア州に生まれ、その後、英国に長く滞在した。推理小説を書き始めたのは、1930年、25歳の時の作品「夜を歩く」からで、この作品の成功を機に推理小説作家としての活動に専念。1年に平均2冊半のスピードで作品を量産し、その数は77冊、大部分が長篇で短篇は4冊のみ。

カーは数多くのトリックを考え出したが、特に密室トリックの独創性においては、質量ともに他の追随を許さない。カー・ディクスン、カーター・ディクスン名義でも作品を発表。ギデオン・フェル博士の他にもヘンリ・メリヴェル卿という貴族探偵を登場させた。1977年死去。(anjinho)

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