横溝正史が生み出した私立探偵は、金田一耕助。「早稲田あたりの下宿にごろごろしている」貧相な風貌の風采を構わぬ青年として登場。興奮するともじゃもじゃの髪の毛をかき回す癖があり、論理的な推理を得意とした。岩手県に生まれ、昭和6(1931)年、盛岡中学を卒業して上京。某私立大学に籍を置くが、すぐに渡米。アメリカで麻薬中毒になるが、奇怪な殺人事件を解決し、その際に知り合った邦人富豪との縁で帰国後に探偵となる。日本橋に探偵事務所を開き、昭和12(1937)年、「本陣殺人事件」で探偵として名を上げる。戦時中は陸軍に入隊。戦後復員すると昭和21(1946)年に「獄門島」の事件を解決。新橋に再び探偵事務所を開いた。以後、昭和48(1973)年の「病院坂の首縊りの家」事件まで全部で76の事件を解決。その後は、再び渡米してロサンゼルスへ向かったと伝えられるが、消息は不明。<金田一耕助シリーズ>はたびたび映画化されたが、昭和22(1947)年からの第1期の東横~東映作品と、昭和51(1976)年からの第2期の東宝作品とに分けられ、片岡千恵蔵が金田一となった第1期は人物、内容とも原作にはほど遠く、石坂浩二が金田一となった第2期は人物、内容とも原作に近くなっている。(anjinho)
名探偵登場(2)

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