anjinho

人間は推理する葦である

日本推理小説事始(3)

「新青年」が創刊されたのは、大正9(1920)年、おりしも黒岩涙香がこの世を去った年であった。「新青年」の初代編集長の森下雨村は愛読する探偵小説を雑誌の目玉にと考え、翻訳ミステリの掲載に力を入れたが、ある人物の出現によって、日本人による創作...
蔦文蔵's EYE

広告とフェイクニュース

最近ビール会社のTVCMで、女性がビールを飲むシチュエーションがよく出て来るが、これは必ずしも世の中の風潮がそうなっているからではない筈だ。TVCMを以前作っていたこともある我が身を振り返ると、TVCMというのはメーカーの願望の映像である。...
人間は推理する葦である

日本推理小説事始(2)

黒岩涙香の翻案した海外探偵小説が新聞で人気となると、他の新聞社もこぞって探偵小説を連載し、明治20年代半ばには探偵小説のブームが起こってゆく。当時の人気出版社春陽堂が明治26(1893)年に始めた「探偵小説」シリーズは、翌27年の2月までに...
蔦文蔵's EYE

ついでに生きてる

最近ユーチューブやCDで、古今亭志ん朝の落語をよく聴いている。そして、その面白さ、噺の完成度の高さにいつも感心してしまう。面白くて少し前からよく聴きに行くようになった噺家に桃月庵白酒がいるが、時に志ん朝と比べて、帰り道に寂しくなったりもする...
人間は推理する葦である

日本推理小説事始(1)番外編

山田風太郎の明治もの、開化小説とも呼ばれる作品に、黒岩涙香を主人公にした短編がある。「明治バベルの塔」という作品で、萬朝報の社長である黒岩が読者数を増やすために、懸賞金を付けたカタカナ暗号文の謎解きを萬朝報に掲載するのだが、その暗号文がまき...
蔦文蔵's EYE

詰将棋とミステリ

将棋というゲームの面白さは、先の局面を読むことである。未来を推理する面白さだ。そして、その局面を読む行為を徹底して行うのが詰将棋だ。どうしたら王将を詰ますことが出来るのか、一手目をこう指すと…相手はこう来るから…、ならばこう指す…、頭の中を...
人間は推理する葦である

日本推理小説事始(1)

「推理小説の父」、そう呼ばれているのは黒岩涙香、新聞「萬朝報」(1892~1940)の創刊者である。海外ミステリー好きであった黒岩は、三千冊もの原書を読破していたという。萬朝報を創刊する前より新聞社で働いていた黒岩は、海外の探偵小説の翻案を...
蔦文蔵's EYE

くわえ煙草の効能

くわえ煙草の名刑事というと、まず思い浮かぶのが刑事コロンボ。正確には葉巻だが、葉巻をくわえながら事件現場に現れるその姿に、名推理を期待してワクワクしたファンも多い筈だ。そして、もう一人、こちらは、つかこうへいの代表作「熱海殺人事件」に登場す...
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マイ・フェイヴァリット・シングスをよろしく

ボブ・ディランがアルバム「時代は変わる」をリリースしたのは、1964年。そして、その翌年からアメリカは南北ベトナムの争いに本格的に軍事介入を始め、ベトナム戦争は激しさを増していきます。一方、アメリカ国内では黒人指導者キング牧師などによって人...
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上海探偵物語

戦前のアジア随一の国際都市であった、上海。英米仏、日本などの居住地区があった上海租界には、多くの外国人が暮らしていました。その租界で起こる多国籍犯罪を取り締まる警察署は巡補房と呼ばれ、日本人もまた警官となり、日本人が多く住む虹口(ホンキュウ...
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