名探偵登場(1)

人間は推理する葦である

 江戸川乱歩が生み出した名探偵と言えばご存じ、明智小五郎。乱歩の大正14(1925)年の短編作品「D坂の殺人事件」以降の長短編に登場してくる。初登場の「D坂の殺人事件」では、明智は煙草屋の二階の四畳半に下宿、部屋が書物で埋まる推理マニアの青年だったが、その後、私立探偵として有名になるにつれて、「日本人離れした」垢ぬけた「西洋人のような」人物に変貌してゆき、昭和11(1936)年から始まった少年探偵団シリーズになると、探偵事務所を構え、容姿端麗な柔道の達人となり、好敵手の怪人二十面相と同じように変装の達人となっていった。少年探偵団シリーズは映画化され、昭和31(1956)年から昭和34(1959)年の間に全9作が作られ、岡田英次、波島進、梅宮辰夫がそれぞれ明智小五郎を演じた。また、昭和52(1977)年から平成6(1994)年まで、天知茂などが明智を演じるテレビドラマ「江戸川乱歩の美女シリーズ」も放映された。(anjinho)

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