上海探偵物語

新世界書房出版物のご案内

 戦前のアジア随一の国際都市であった、上海。英米仏、日本などの居住地区があった上海租界には、多くの外国人が暮らしていました。その租界で起こる多国籍犯罪を取り締まる警察署は巡補房と呼ばれ、日本人もまた警官となり、日本人が多く住む虹口(ホンキュウ)地区の虹口巡補房では、岡本刑事とその助手で英語が堪能な八田刑事が美術品関連事件の捜査を担当していました。近年、コロンボ、熱海殺人事件のくわえ煙草の伝兵衛と、名刑事たちは葉巻や煙草をくわえて捜査にあたりたがりますが、岡本も愛する上海租界の煙草ルビークイーンをくわえながら難事件を解決してゆきます。1930年代の上海租界、美術の世界に材を取り、男女の愛の機微を織り交ぜて描かれる、ちょっと切なくちょっとコミカルな宗谷圭介のミステリー短編集「上海探偵物語」。上海租界の名物だった人力車の黄包車や、魯迅の息子が生まれた福民病院、内山書店など、当時の上海租界の様子も巧みに描かれています。

アマゾンで購入する

コメント

タイトルとURLをコピーしました